大阪府岸和田市の税理士法人木戸&パートナーズ 税理士の木戸辰弥です。

「父が遺言を残していたけれど、その通りに分けたくない」
「兄弟全員で別の方法にしたいけど、それって大丈夫?」

相続のご相談では、このようなお悩みをよくお聞きします。
今回はそんな時の注意点や具体的な方法をわかりやすく解説していきます。


遺言の原則:基本は従う必要がある

民法上、遺言は「被相続人の最終意思」として尊重されます。
そのため、原則としては遺言の内容に従って遺産分割を進めることになります。

銀行での相続手続きや、不動産の名義変更も、通常は遺言をベースに行われます。


遺言に従わない遺産分割は可能?

遺言に従うのが原則といえど、遺言の内容と相続人の意志が全く違うということもままあります。そんな時は遺言に従わずに財産を分けることは可能なのでしょうか?

結論から言うと、相続人全員が合意すれば、遺言に従わずに遺産分割することは可能です!

長男

亡くなった親父が遺産は全部長男に渡すって書いていたけど、ぼくは兄妹全員で平等に分けたいんだ!税理士さんそんなことは可能ですか?

税理士 木戸

相続人全員の同意があれば遺言とは違う分け方をすることは可能ですよ。みんなで話し合って分け方を決めて、遺産分割協議書を作成しましょう!

他の兄妹たち

やったーお兄ちゃんありがとう!!!!

遺産分割は法律上口頭でも成立しますが、遺言がある場合には遺産分割協議書を作成しないと遺言が優先されてしまいます。
遺言とは違う分け方をしたい場合には、必ず遺産分割協議書を作成し、相続人全員の署名捺印をしましょう。


遺言に従わず遺産分割する際の注意点

1. 相続人全員の合意が必須

相続人のうち1人でも「自分は遺言通りに分けたい」と反対する人がいると、遺言に沿わずに遺産を分けることはできません。
その時は残念ですが遺言通り遺産を分けることになります。

2. 贈与とみなされてしまう可能性がある

長男

遺産分割協議書とか面倒だし、いったん自分が遺言通り全部受け取って他の兄妹たちにお金を振り込んで渡そうっと。結局みんなが受け取る金額は同じだし別にいいでしょ?

税務署の職員

あれ?遺産分割協議をしていませんね。でしたら長男さんから他の兄妹への贈与ということになりますので、兄妹の皆さんに贈与税を払ってもらいます!もちろん長男さんには相続税がかかりますのでそちらもきちんと払ってくださいね!

長男A

そんなあ!!遺産分割協議書を作らなかっただけでひどい!!!!

遺言通りに遺産を受け取って、それを他の相続人に配ってしまうと、
①父親から長男に相続 
②長男から兄妹に贈与 
という扱いになって、贈与税が課税されてしまいますので注意しましょう。
もし銀行手続き等を一人の相続人にまとめたい場合には、代償分割といって、相続人の1人が全ての財産を受け取るかわりに他の相続人にお金を支払うといった内容の遺産分割を行うこともできます。

贈与と認定されてしまうと、相続税に加えて本来は支払う必要のない多額の贈与税が課されてしまうので、不安な方は税理士に相談しましょう!

3. 手続きが煩雑になる

当然ではありますが、遺言をそのまま使う場合よりも、遺産分割協議書の作成を行う必要があるので少し手間がかかります。


まとめ:遺言があっても柔軟に分けられる

  • 遺言は原則として従う必要がある。
  • ただし、相続人全員が合意すれば、遺言と違う遺産分割も可能。
  • その際には、きちんと遺産分割協議書を作成し、相続人全員の署名捺印をすること。


今回は遺言がある場合に、遺言とは違う内容で遺産分割をする際の注意点について解説しました。方法を誤ると本来払う必要のない多額の贈与税がかかってしまうことがあるので注意しましょう。

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